5月 種まき
八十八夜(5月上旬から5月中旬が目安です。一晩水に浸し、砂(または灰)をまぶして、1か所に3粒ほどを種が土で隠れる程度の深さに蒔きます。
(畑の場合)
草の管理を見込んで種を蒔く間隔を1m×70cm程度空けます
(鉢植えの場合)
根を下に伸ばせるように底の深いものに10~15cm間隔くらいに蒔きます
6月
発芽までは地面が湿る程度に保ちます。
発芽後丈が10cmくらいになると2週間~1か月ほどは根が伸びる時期ですので上にはほとんど成長が見られません。
発芽後はあまり水をやりすぎずに土の表面が乾いたら少しやるくらいにしてください
7月 摘心
背丈が60~70cmを越えるようでしたら摘心(枝先を切る作業)を行います。敵心を行うと、横に枝がたくさん出て綿が多く取れます。
草の管理
草があまり大きくならないように定期的に草をとってください。
畑の場合は通路を耕運機や管理機で耕し、綿の根元は手で取ります。鉢植えの場合は草が目立ってきたら取りましょう
8月 開花
8月ころに次々にオクラに似た黄色っぽい花が咲きます。花が落ちると青い実ができコットンボールが膨らみ始めます。
9月
下から徐々にコットンボールが大きくなり、茶色っぽくなってきます。
10月~11月 収穫
大きくなり茶色っぽくなったコットンボールがはじけてきます。よく晴れた日にふんわりと綿が広がりますので、そうなったら手で綿だけをひっぱって収穫します。(9月下旬~12月まで収穫できます)
12月
綿の木が枯れ始め収穫期の終わりです。
1月~2月
収穫した綿から種を分ける綿くり作業をします。
3月
枯れた綿の木を抜き、次のシーズンのために畑の手入れを始めます。
わたからつむぐの商品は、化学薬品を使わずに、自然から取り出した「酵素」と「水」を使って綿の不純物を取り除く手法を進めています。
中でもArau(あらう)シリーズは、用途の特性から油脂を残したまま製品にするという珍しい商品です。
また、漂白を行わず、畑から生まれた優しい「生成り色」が特徴です。
収穫したまま何も処理をしない綿は、その綿の持つ油脂によって水をはじいてしまいます。
※海外から輸入された一般的な綿製品は、吸水性を高めるために「精錬(せいれん)」を行います。
「精錬」とは薬品で洗って不純物による汚れや油脂を取り除くことです。
薬品は水酸化ナトリウム(劇薬指定の固形苛性ソーダ)を使用します。
苛性ソーダは管理と取扱いに厳重な注意を要します。
素肌に触れるとただれることがあり、万が一目に入ってしまうと失明の恐れがある薬品です。
「精錬」したあとは「漂白」をします。
「漂白」には人体や環境に影響の少ないオゾン漂白(※1)などが採用されるようになってきましたが、中にはまだ人体に負荷のかかる塩素などが使われることもあります。
※1)オゾン漂白:空気中の酸素にプラズマ放電を与え、人工的に作ったオゾンと繊維を反応させて省エネルギーで薬品使用量を低減して行う精錬漂白方法
さらに、コットンそのままの状態では繊維の毛羽によって滑らかに機織りの機械を通らないため、加工しやすいように糊をつけて滑りを良くします。
たとえ、オーガニックで育てられた綿であってもこのようにいくつもの化学処理を経てしまっては、それはもう純粋なオーガニック100%とはいえない製品となってしまいます。
わたからの商品は、上記のことを一切行っていない純粋な和綿です
ガラ紡機(がらぼうき)は発明家の臥雲辰致(がうんたっち)が1873年に発明した紡績機です。
糸をひく時に「がらがらがら・・・」という音がすることから「ガラ紡」と呼ばれるようになりました。
「すい」と呼ばれる円筒形の容器に綿を詰め、垂直に立てた状態で、円筒の中心軸を回転軸として円筒を回転させながら、綿を上に引き出すことによって糸を紡ぎます。
西洋式の紡績機に比べ、簡易な構造のガラ紡機は少ない資本で設置できることから、広く普及し明治10~20年頃の日本の綿業を支えました。
しかし1885年(明治18年)頃から大規模な洋式紡績工場が続々と建設され始めた為に1887~1888年頃をピークにガラ紡は次第に衰退してしまいました。
現在、産業機として稼働しているのは愛知県尾州産地で3台のみと言われています。
「トヨタ産業技術記念館」「愛知大学大学記念館」「東京農工大学化学博物館」などではガラ紡機が展示保存されていますので、動作の様子を実際に見学することができます。
近代の高速紡績機に押されて衰退してしまったガラ紡機ですが、繊維が太くて短い「和綿」は高速の紡績機では繊維が下に落ちてしまって、糸にすることができません。
「和綿」を糸にすることができるのは、手紬ぎのようにゆっくりとしたスピードの「ガラ紡機」しかないのです。
太くて でこぼこした ガラ紡糸はとても柔らかく まとう人を優しく幸せな気分にさせてくれます。
わたからの商品は滑り加工をせずに、昔ながらのションヘル織機を使ってゆっくり織り上げてさらにふんわりとした布になります。
生地になった和綿は、オリジナル商品の開発から岐阜県岐阜市にある自社の縫製工場で熟練の職人さんによって製品化され、一枚一枚丁寧に検品をしています。
〒501-1121 岐阜県 岐阜市 古市場 18-11
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