和綿とは799年に大陸から渡米したのが最古とされている、外来種の綿と交配していない木綿です。
和綿は江戸時代初期頃から盛んに栽培されるようになりました。
当時は200種類ほどあったと言われる和綿ですが、現在ではほとんどが絶えてしまいわずか数十種類になってしまいました。明治維新後、海外からの安価な綿や糸の輸入などで様々な理由から、和綿の栽培は衰退していきました。
和綿の生産量は極めて少ないうえ、繊維が短いので糸にする紡績も効率が良くありません。昭和以降ほぼ絶滅に近く減産し、平和になってようやくその良さが見直されるようになりました。
残念ながら現在は栽培した棉(わた)から糸にして布にするという文化は衰退してしまいましたが、近年和綿を育てて布にしようという活動も全国で増えてきています。
和綿は5月に種を蒔くと、7月~8月にはオクラの花に似た、淡い黄色の花を咲かせます。9月頃には和綿の大きな特徴である下向きの実が成ります。これは雨の多い日本の風土と気候に合わせた自然の知恵です。10月~11月になるとその和綿の実が弾け、ふわふわとした綿が顔を出します。こうした日本の環境で育った和綿は日本人の肌に一番なじむ繊維なのです。
和綿(日本の綿)
●コットンボールの実り方
下向き
●コットンボールの大きさ
小さい
●綿の繊維
太くて短い
和綿の繊維はとても短く、弾力があります。その綿(わた)を紡いだ糸で織り上げた布は、夏は通気性に優れ、冬は保温性に富んでいます。また、湿気の高い日本の風土で育つため、吸湿性にも優れています。
洋綿(外国の綿)
●コットンボールの実り方
上向き
●コットンボールの大きさ
大きい
●綿の繊維
細くて長い
洋綿の繊維は細くて長いの特徴です。コットンボールの大きさも和綿の2~3倍の大きさになります。生産効率が良いため、世の中に出回っている「オーガニックコットン」と表示されているものは、ほぼ海外から輸入した洋綿になります。
通常の「オーガニックコットン」と呼ばれているものは、オーガニックとの混紡製品であることがほとんどです。本物を選ぶ時は「100%オーガニック」と謳っているものを探してみてください。「和綿」は輸入製品に使われることはありませんので和綿オーガニックをお求めの場合は国内栽培品のみということになります。産業として和綿の布を生産している企業は日本国内で1社のみと言われています。
コットンは、世界80箇所以上で栽培されていますが、その農地は世界で約2%ほどだと言われています。
そのたった2%の農地に、世界で使われている農薬の約20%以上もが使用されているのです。
オーガニックでない綿にどれほどの農薬が使われているか想像に難くないでしょう。
ではオーガニックコットンとそうでないコットンとは何が違うのでしょうか?
オーガニックコットンとは化学薬品(化学肥料・殺虫剤・成長抑制剤・落葉剤など)や遺伝子組み換えの種子を使わないで栽培されているコットンです。
そのようなコットンを栽培する土地は、栽培を開始する前、少なくとも3年間は化学薬品を使用してはならない規定があります。
米国農務省は数十もの認定機関により、オーガニックコットンを厳しく監視しています。
その厳しい基準を満たした農薬を全く使用しいオーガニックコットンは世界の綿花生産の1%以下にしかすぎません。
では、あなたは「オーガニックコットン」を手にしたとき、どのようにしてそれが「オーガニックである」か「オーガニックでない」かを見分けていますか?おそらく「オーガニックコットン」という表示を信じる。
もうひとつは「コットンを栽培している土地を見て確認する」それ以外に方法はないでしょう。
日本国内で種まき、草取り、収穫、製品化まで行っている場所なら、それが可能なのです。
〒501-1121 岐阜県 岐阜市 古市場 18-11
わたから公式インスタグラム